「前の道路を通る車の音が、窓を閉めていても気になる」

「窓を新しくしたら、外の音はどのくらい静かになるの?」

窓の防音について、よくこうしたご相談をいただきます。窓は壁に比べて薄く、すき間もできやすいため、外の音が入りやすい場所です。古い窓を遮音性の高い窓に替えると、外の音の入り方が変わることがあります。

ただし、音の悩みは窓だけでは解決しないこともあります。このページでは、窓と玄関ドアの交換を専門に扱うマドアーズ!編集部が、窓の遮音性能の目安になる「T等級」の考え方と、窓ごと替えることで期待できること、窓では解決しにくいことを、正直に整理します。

結論|窓の遮音は「すき間」と「ガラス」で決まる。ただし窓がすべてではない

窓の遮音性能は、大きく分けて2つで決まります。1つは窓のすき間の少なさ(気密性)、もう1つはガラスの種類です。古い窓は、部品の傷みや枠のゆがみですき間ができていることが多く、そこから音が入ってきます。

窓ごと新しくすると、すき間が少なく、遮音性の等級がはっきりした窓に替えられます。一方で、音は窓だけでなく、換気口や壁、玄関ドアなどからも入ってきます。当店では、窓を替えることで「何デシベル静かになる」とお約束することはしていません。お家の音の入り方は現地で確かめてからご提案します。

窓の遮音性能を表す「T等級」とは

窓(サッシ)の性能は、日本産業規格の「JIS A 4706 サッシ」で決められています。その中に、音をどのくらいさえぎるかを表す「遮音性」の等級があり、T-1、T-2、T-3、T-4の4つに分かれています。T-4がもっとも遮音性の高い等級です。

一般社団法人 日本サッシ協会の資料によると、等級は、実験室でサッシを通して音がどれだけ弱まるか(音響透過損失)を低い音から高い音まで周波数ごとに測り、その測定値が各等級の基準の線(遮音等級線)を上回るかどうかで決めます。測る範囲は125ヘルツから4,000ヘルツで、基準の線を下回った値の合計が3dB以下であればその等級とする、というルールもあります。

T-1〜T-4の目安

日本サッシ協会の資料に載っている遮音等級線を見ると、それぞれの等級の線は、500ヘルツ以上の中くらいから高い音の範囲で次の値になっています。500ヘルツより低い音では、線はもっと低い値になっていきます。

等級 遮音等級線の値(500ヘルツ以上)
T-1 25dB
T-2 30dB
T-3 35dB
T-4 40dB

これは実験室で窓だけを測ったときの基準です。実際のお家で聞こえる音の大きさは、外の音の大きさや種類、部屋の広さ、窓の大きさ、窓以外から入る音によって変わります。「T-2の窓にしたら外の音が必ず30dB小さくなる」という意味ではないことに注意が必要です。

住宅性能表示の「音環境」との関係

住宅の性能を等級で表す国の制度(住宅性能表示制度)にも、外壁の窓などの遮音性を表す「音環境」の項目があります。日本サッシ協会の資料では、等級3はJIS A 4706のT-2等級以上のもの、等級2はT-1等級のものなどと整理されています。

窓の製品カタログでも、遮音性をT等級で示していることがあります。窓を選ぶときは、「防音」という言葉だけでなく、何等級の製品なのかを確かめると比べやすくなります。

マンションの一室で新しい窓枠を数人で取り付けている様子

古い窓がうるさい理由|すき間が音の通り道になる

音は空気の振動なので、空気が通るすき間があると、そこから入ってきます。日本サッシ協会の資料でも、気密性(すき間から空気がどのくらい出入りするか)が良いと、内外の騒音に対する遮音性が良くなると説明されています。

長く使った窓では、すき間をふさぐゴムや毛の部品(気密材)がすり減ったり、戸車が傷んで障子(ガラスの入った動く部分)がきちんと閉まらなくなったりします。窓を閉めていても風の音がする、すき間風を感じる、という窓は、音も入りやすくなっていると考えられます。

ガラスで変わること|複層ガラスは「防音ガラス」ではない

「ガラスが2枚になれば、音も2倍さえぎれる」と思われがちですが、そうとは限りません。YKK APは、同じ厚さのガラス2枚でできた複層ガラスは、2枚のガラスが共鳴する現象を起こしてしまうことがあると説明しています。

音を重視する場合は、次のようなガラスが用意されています。

  • 異厚複層ガラス:厚さのちがう2枚のガラスを組み合わせ、共鳴を打ち消す
  • 防音合わせガラス:2枚のガラスの間に、音を弱める特殊なフィルム(中間膜)をはさんだもの

断熱のために選ぶLow-E複層ガラスと、音のために選ぶガラスは、目的がちがいます。断熱と遮音のどちらを優先するかで、ガラスの選び方は変わります。断熱の考え方は窓の断熱性能UPのページでご説明しています。

カバー工法で窓ごと替えると期待できること

今ある枠を残して新しい枠をかぶせる「カバー工法」では、枠も障子も新しくなります。すり減った気密材や傷んだ戸車も一緒に新しくなるため、すき間の多い古い窓に比べて、すき間から入る音を減らせることが期待できます。ガラスも、製品の選べる範囲で目的に合ったものを選べます。

壁を壊さないため、住みながら工事ができるのもカバー工法の良いところです。工事の考え方はカバー工法とは?のページ、製品はマドリモのページでご紹介しています。選ぶ製品のT等級は、メーカーのカタログで確かめたうえで、現地調査のときにお伝えします。

カバー工法の工事で職人が電動のこぎりで古い窓の部材を切っている様子

窓以外から入る音もある

音の悩みを相談いただくと、窓以外が音の入り口になっていることもあります。たとえば次のような場所です。

  • 壁に付いている換気口(給気口)。空気を通すための穴なので、音も通りやすい
  • エアコンの配管を通す穴のまわりのすき間
  • 玄関ドアや勝手口のドア
  • 壁や屋根そのもの(特に薄い壁や、音が響きやすい構造)
  • 地面や建物を伝わってくる振動(大きな車が通るときの揺れなど)

窓の遮音性を上げても、これらの場所から入る音はそのまま残ります。気になる音がどこから入っているのかを、窓を閉めた状態、換気口を閉じた状態などで聞き比べてみると、手がかりになることがあります。玄関ドアが気になる場合はドアリモのページもご覧ください。

窓では解決しにくいケースも正直に

次のような音の悩みは、窓を替えるだけでは解決しにくいことがあります。

  • 上の階の足音や、隣の部屋の生活音など、建物の中を伝わる音
  • 大きな車が通るときの「ドーン」という低い音や揺れ
  • 換気口や壁から入る音が大きいお家

先ほどの表のとおり、遮音等級線そのものも低い音では低い値になっており、低い音ほど窓でさえぎるのが難しくなります。当店は窓と玄関ドアの専門店です。現地調査で、窓を替えても悩みが解決しにくいと考えられる場合は、無理に工事をおすすめせず、その理由をお伝えします。

ご相談の前に確かめておきたいこと

音の悩みで窓の交換を考えるときは、ご相談の前に次のような点をメモしておいていただくと、現地調査で原因を絞り込みやすくなります。

  • 気になる音の種類(車の走る音、電車、人の話し声、工事の音など)
  • 気になる時間帯(朝、夜、一日じゅうなど)
  • どの部屋の、どの窓の近くで特に気になるか
  • 窓を閉めたとき、換気口を閉じたときに、聞こえ方が変わるか
  • 窓を閉めてもすき間風を感じるか、開け閉めが重くないか、鍵がかかりにくくないか

特に最後の点は、窓そのものの傷みを知る手がかりになります。すき間風や開け閉めの重さがある窓は、窓ごと替えることで、音だけでなく使い勝手の悩みもまとめて見直せます。寝室など、長い時間を過ごす部屋の窓から考えるのも一つの方法です。どの窓から替えるのがよいかは、お話をうかがってから一緒に考えます。窓の種類ごとの工事の考え方は窓の1DAYリフォームのページにまとめています。

カバー工法で取り付ける前の新しい窓と部材。ガラスにYKK APのシール

内窓という選択肢も

今の窓の内側にもう1つ窓を足す「内窓」も、窓の防音の方法の一つです。窓が二重になり、間に空気の層ができます。一方で、開け閉めする窓が2つになるため、毎日よく開ける窓では手間が増えます。今の窓そのものが傷んでいる場合は、窓ごと替えるカバー工法のほうが向いていることもあります。内窓について詳しく知りたい方は、内窓の専門サイトをご覧ください。

よくある質問

窓を替えると、何デシベル静かになりますか?

お約束できる数字はありません。窓の遮音等級は実験室で窓だけを測った値で、実際の聞こえ方は、外の音の種類、窓の大きさ、窓以外から入る音によって変わるためです。製品のT等級は、現地調査のときにカタログをもとにお伝えします。

マンションの窓でもできますか?

マンションの窓は、国土交通省の「マンション標準管理規約」で専有部分に含まれないとされ、交換には管理組合の承認が必要になるのが一般的です。管理組合への申請書類は当店で用意します。ほかのご質問はよくあるご質問にもまとめています。

まとめ|まず「音がどこから入っているか」を確かめる

窓の遮音性能は、JIS A 4706のT-1〜T-4の等級が目安になります。古い窓はすき間が音の通り道になりやすく、窓ごと替えると、すき間を減らし、目的に合ったガラスを選べます。一方で、音は換気口や壁、ドアからも入ってくるため、窓だけで解決しないこともあります。

実際の工事のようすは施工写真集で、ご依頼から工事までの段取りはご依頼の流れでご覧いただけます。音の悩みで窓の交換を考えている方は、お問合せフォームからお気軽にご相談ください。

(参考)出典の一覧:一般社団法人 日本サッシ協会「窓の性能とJIS基準について」(JIS A 4706 サッシの遮音性・気密性、音環境の住宅型式性能認定)/YKK AP「遮音性(技術基準・関連法規)」「騒音カット効果のあるガラス(かしこいガラス選び)」「マドリモ 戸建用」公式ページ/国土交通省「マンション標準管理規約」

文:マドアーズ!編集部