「冬、窓ぎわに立つとひんやりする」
「暖房をつけても、窓のある部屋だけなかなか暖まらない」
こうした悩みの多くは、窓から熱が逃げていることが原因です。特に、昔ながらのアルミの枠に1枚ガラスが入った窓は、家の中でもっとも熱が出入りしやすい場所になりがちです。
このページでは、窓と玄関ドアの交換を専門に扱うマドアーズ!編集部が、窓の断熱性能を上げる方法を、できるだけ専門用語を使わずに整理します。結論から言うと、断熱をしっかり良くしたいなら、ガラスだけでなく「枠」ごと断熱性の高い窓に替えるのが近道です。その理由と、選び方、注意点を順に説明します。
結論|断熱したいなら「枠」と「ガラス」をいっしょに替える
窓は、ガラスと、そのまわりの枠(サッシ)でできています。熱はガラスからも枠からも逃げていきます。ガラスだけを良いものにしても、枠が熱を通しやすいアルミのままだと、枠の部分から熱が逃げ、枠が冷えて結露も起きやすいままです。
そこで、断熱性能を上げる方法としておすすめしたいのが、枠を熱の伝わりにくい素材(樹脂、またはアルミと樹脂を組み合わせたもの)に替え、ガラスも複層ガラスやLow-E複層ガラスにすることです。今ある枠を残したまま新しい窓をかぶせる「カバー工法」なら、壁を壊さずに窓ごと替えられます。カバー工法そのものの説明はカバー工法とは?のページをご覧ください。
家の熱はどこから出入りする?|業界団体の最新の試算
窓からどのくらい熱が出入りしているのかについては、一般社団法人 日本建材・住宅設備産業協会(建産協)が、2025年12月に「住宅各部位における熱の出入り割合」という試算を公表しています。
この試算は、東京(省エネ基準の6地域)に建つ木造の戸建住宅のモデルで、壁・床・天井・窓・換気のそれぞれから出入りする熱を計算したものです。今の省エネ基準にあたる断熱等性能等級4相当の家(窓はアルミサッシ+複層ガラスを想定)では、冬の暖房時に家から逃げる熱のうち窓などの開口部からが約41%、夏の冷房時に家に入ってくる熱のうち開口部からが約64%という結果でした。
| 断熱等性能等級4相当の家 | 開口部(窓など)の割合 |
|---|---|
| 冬(暖房時に逃げる熱) | 約41% |
| 夏(冷房時に入ってくる熱) | 約64% |
建産協はまとめとして、外皮(家を包む壁・屋根・床・窓)の部位別では、開口部からの熱の出入りがもっとも多いことが再認識されたとしています。なお、これは決まった条件での計算の結果で、お家の建て方や地域、窓の大きさによって数字は変わります。古い1枚ガラスのアルミ窓のお家では、条件がさらに厳しいと考えられます。
アルミ窓が冷えやすい理由|枠とガラスの両方から熱が逃げる
アルミは丈夫で加工しやすく、長く日本の窓に使われてきました。一方で、金属なので熱をよく伝えます。冬は外の冷たさが枠を通して室内側まで伝わり、枠そのものが冷たくなります。
これに対して樹脂は熱を伝えにくい素材です。LIXILは、樹脂の熱伝導率(熱の伝わりやすさ)はアルミの約1,000分の1だと案内しています。YKK APも、樹脂はアルミより熱を伝えにくいとして、枠を樹脂にした窓を「樹脂窓」として出しています。
ガラスも同じです。1枚ガラス(単板ガラス)は外の冷たさがそのまま伝わりますが、2枚のガラスの間に空気やガスの層をはさんだ複層ガラスにすると、熱が伝わりにくくなります。

枠の素材は3つ|アルミ・アルミ樹脂複合・樹脂
窓ごと替えるときに選ぶ枠の素材は、大きく3つです。それぞれの特徴を表にまとめました。
| 枠の素材 | しくみ | 断熱の考え方 |
|---|---|---|
| アルミ | 枠がすべてアルミ | 熱を伝えやすく、冬は枠が冷えやすい |
| アルミ樹脂複合 | 外側がアルミ、室内側が樹脂 | 室内側の樹脂で熱の伝わりを抑える。外側はアルミの丈夫さを活かす |
| 樹脂 | 枠の大部分が樹脂 | 3つの中でもっとも熱を伝えにくい。LIXILは北海道などの寒冷地にも向くと案内している |
カバー工法の窓でも、この素材を選べます。たとえばYKK APの「マドリモ 戸建用」には、アルミ樹脂複合フレーム+Low-E複層ガラスの「アルミ樹脂複合窓」、樹脂フレームの「樹脂窓」、樹脂フレーム+トリプルガラスの「トリプルガラス樹脂窓」などのラインアップがあります。製品の違いはマドリモのページで詳しくご紹介しています。

ガラスの選び方|複層・Low-E複層・トリプル
ガラスは、次のような順に断熱性が高くなります。
- 単板ガラス:1枚だけのガラス。熱をもっとも通しやすい
- 複層ガラス:2枚のガラスの間に空気の層をはさんだもの
- Low-E複層ガラス:複層ガラスのガラス面に、熱を伝えにくくする薄い金属の膜(Low-E膜)をコーティングしたもの。すき間にアルゴンガスを入れた製品もある
- トリプルガラス:ガラスを3枚にしたもの
YKK APはマドリモの資料で、Low-E複層ガラスは単板ガラスの約4倍の断熱効果を発揮すると案内しています。また、Low-E複層ガラスには、夏の日差しの熱をさえぎる「遮熱タイプ」と、冬の日差しを採り込みやすい「断熱タイプ」があります。どちらも断熱性は高いので、窓の向きや、夏と冬のどちらの悩みが大きいかで選び分けます。夏の暑さや西日の悩みについては窓の遮熱性能UPのページで詳しく説明しています。
カバー工法なら壁を壊さず窓ごと断熱窓へ
断熱性の高い窓に替えるとき、壁を壊して枠ごと入れ替える方法もありますが、外壁や室内の補修が必要になり、工期も長くなりがちです。カバー工法なら、古い枠を残して新しい枠をかぶせるため、壁を壊さずに窓ごと新しくできます。YKK APは、マドリモについて、壁を壊さず住みながら工事ができ、1窓あたり約半日で完了すると案内しています。
窓の種類ごとの工事の考え方は窓の1DAYリフォームのページにまとめています。

内窓・ガラス交換とのちがい
窓の断熱には、ほかにも方法があります。今の窓の内側にもう1つ窓を足す「内窓」は、今の窓を残したまま断熱性を上げられる方法です。ガラスだけを複層ガラスなどに替える方法もあります。
一方で、内窓は開け閉めする窓が2つになります。ガラスだけの交換では、枠はアルミのまま残ります。今の窓の開け閉めが重い、鍵がかかりにくい、すき間風が入るなど、窓そのものが傷んでいる場合は、窓ごと替えるほうが悩みをまとめて解決しやすいのが、カバー工法の良いところです。内窓について詳しく知りたい方は、内窓の専門サイトもご覧ください。
断熱リフォームで気をつけたいこと
窓ごと替える断熱リフォームには、知っておいていただきたい点もあります。
- カバー工法は古い枠の内側に新しい枠を重ねるため、ガラスの見える部分が枠の厚みの分だけ少し小さくなる
- 窓の断熱が良くなっても、壁や天井、床の断熱が弱いお家では、家全体の暖かさには限りがある
- すき間が減ると空気が入れ替わりにくくなるため、換気は今まで以上に意識したい
- 結露は減らせても、室内の湿度が高ければ起きることがある
結露の悩みについてはアルミサッシの結露のページで、窓以外の原因も含めて説明しています。当店では、現地調査のときに、仕上がりで窓がどのくらい小さくなるかも含めてご説明してから工事を決めていただきます。
補助金・減税の対象になることも
断熱性の高い窓への交換は、国の補助金や税の減額の対象になることがあります。たとえば国土交通省の「省エネ改修に係る固定資産税の減額措置」では、窓の断熱改修が必須の工事とされています。
ただし、補助金や減税には、製品の性能、工事の時期、申請の手順などの条件があり、年度によっても変わります。選ぶ枠やガラスによって対象になるかどうかが変わるため、契約の前に確認することが大切です。最新の情報は補助金のページと先進的窓リノベ2026のページにまとめています。
マンションの窓は管理組合への確認から
マンションの窓は、国土交通省の「マンション標準管理規約」で、窓枠と窓ガラスは各住戸の専有部分に含まれないとされています。多くのマンションの規約もこれにならっているため、窓を替えるには管理組合の承認が必要になるのが一般的です。管理組合への申請書類は当店で用意します。
よくある質問
全部の窓を替えないと効果はありませんか?
1窓からでも替えられます。家族が長く過ごすリビングや、寒さが気になる寝室、北側の部屋など、困っている窓から考えるのも一つの方法です。どの窓から替えると良いかは、現地調査でお家の窓を見てからご提案します。
樹脂窓とアルミ樹脂複合窓、どちらがいいですか?
断熱性能を優先するなら樹脂窓、室外側にアルミの丈夫さや見た目を残したい場合はアルミ樹脂複合窓が候補です。お住まいの地域の寒さ、窓の大きさ、補助金の条件、ご予算によって向き不向きが変わるため、いくつかの組み合わせを比べてから決めていただいています。ほかのご質問はよくあるご質問にもまとめています。
工事中は家にいてもいいですか?
カバー工法は壁を壊さないため、住みながら工事を進められます。工事をする窓のまわりは家具を動かすスペースが必要です。当日の準備は、ご依頼の流れの中でご案内します。
まとめ|窓の断熱は「枠ごと」考える
建産協の試算でも、家の熱の出入りがもっとも多いのは窓などの開口部です。窓の断熱性能を上げるなら、ガラスだけでなく、熱を伝えやすいアルミの枠ごと、樹脂やアルミ樹脂複合の窓に替えることを考えてみてください。カバー工法なら、壁を壊さず、住みながら窓ごと新しくできます。
実際の工事のようすは施工写真集で、ご依頼から工事までの段取りはご依頼の流れでご覧いただけます。お家の窓にどの窓が合うか分からないときは、お問合せフォームからお気軽にご相談ください。
(参考)出典の一覧:一般社団法人 日本建材・住宅設備産業協会「住宅各部位における熱の出入り割合」(2025年12月)/LIXIL「暮らしに合わせた窓選び」/YKK AP「マドリモ 戸建用」公式ページ・ラインアップ/国土交通省「省エネ改修に係る固定資産税の減額措置」「マンション標準管理規約」
文:マドアーズ!編集部
