「窓を新しくしたら、家の価値が上がったとみなされて固定資産税が高くなるのでは?」
窓のリフォームをご検討中の方から、ときどきこうしたご質問をいただきます。結論からいうと、窓を交換するだけのリフォームで固定資産税が上がることは、ふつうはありません。それどころか、条件を満たせば、窓の断熱リフォームで翌年度の固定資産税が減る制度があります。
このページでは、窓と玄関ドアの交換を専門に扱うマドアーズ!編集部が、固定資産税のしくみと、窓のリフォームで税金が減る「省エネ改修の固定資産税の減額措置」の条件と手続きを、国土交通省や自治体の資料をもとに整理します。なお、税金の最終的な判断は、お住まいの市区町村が行います。実際の手続きの前には、必ず市区町村の窓口でご確認ください。
結論|窓の交換だけで固定資産税が上がることは、ふつうはない
固定資産税の家屋の評価は、新築したときや増築したときなどに市区町村が行います。窓の交換のように、家の骨組みはそのままで一部の部材を取り替える工事は、ふつうは評価のやり直しの対象になりません。
評価のやり直しの対象になるのは、床面積が増える増築や、家の骨組みだけを残すような大規模な改築です。窓のカバー工法は壁も壊さない工事なので、この心配はまずありません。
固定資産税の家屋の評価のしくみ
固定資産税の家屋の評価額は、総務大臣が定めた全国共通の「固定資産評価基準」にもとづいて、市区町村が決めます。屋根、柱、壁、床、基礎などに使われている材料の種類や量をもとに、同じ家を今建てたらいくらかかるかを計算し、そこから建ててからの年数による古さを差し引く、という考え方です。
新築のときに評価された額は、その後は定期的な見直しのたびに、建築の物価の変化と年数による古さが反映されます。家の中で何を新しくしたかを1つずつ調べて評価し直すしくみではありません。そのため、窓のような一部の部材を取り替えても、そのたびに評価額が上がるわけではありません。
固定資産税が上がる可能性があるリフォーム
一方で、次のような工事は、家屋の評価のやり直しの対象になることがあります。
- 増築して床面積が増える工事(部屋を増やす、2階を増やすなど)
- 家の骨組みだけを残して、壁などをすべて取り払うような大規模な改築
たとえば佐賀県鹿島市は、改築について、壁を取り払って柱や骨組みだけになるものが評価の対象になると案内し、その場合は新しく使った資材だけでなく家屋全体を評価し直すとしています。窓のカバー工法は、これとはまったく違う工事です。

窓の断熱リフォームで固定資産税が減る制度がある
国は、住まいの省エネを進めるため、一定の省エネ改修を行った家の固定資産税を減らす制度を設けています。国土交通省の資料「省エネ改修に係る固定資産税の減額措置」によると、平成26年4月1日以前からある家屋に一定の省エネ改修工事を行った場合、翌年度分の固定資産税が3分の1減額されます。適用期限は、令和13年(2031年)3月31日までに改修工事を行ったものとされています。
この制度の大きな特徴は、窓の断熱改修工事が「必須工事」になっていることです。つまり、窓の工事をしないと、この減額は受けられません。窓のリフォームと固定資産税は、実は深い関係があるのです。
減額を受けるための条件
同じ資料では、減額を受けるための条件として、次の7つが挙げられています。
- 省エネ改修の後の断熱部位が、いずれも平成28年基準を新たに満たしていること
- 平成26年4月1日以前から所在している家屋であること
- 賃貸住宅でない家屋であること
- 省エネ改修工事に要した費用から補助金等を差し引いた額が、60万円(税込)を超えていること
- 床面積が登記簿表示上で40平方メートル以上240平方メートル以下であること
- 店舗などとの併用家屋の場合は、床面積の2分の1以上が居住用であること
- 改修工事を令和13年3月31日までに行っていること
4つ目の金額の条件には細かな決まりがあり、高効率の空調機や給湯器、太陽光発電などの設備の工事を含める場合は、断熱改修の工事の額が50万円(税込)を超え、かつ全体の合計が60万円(税込)を超えている必要があります。
対象になる窓の工事は3種類
必須工事とされている窓の断熱改修工事には、次の3つが含まれています。
- ガラスの交換
- 内窓の新設または交換
- サッシ及びガラスの交換
当店が行っている窓のカバー工法は、古い窓を新しいサッシとガラスに取り替える工事なので、3つ目の「サッシ及びガラスの交換」にあたります。ただし、どの製品でもよいわけではなく、改修後の窓が、地域ごとに決められた断熱の基準値(熱貫流率)を満たしている必要があります。地域によって基準値が違うため、同じ製品でも条件を満たす地域と満たさない地域があります。選ぶ窓がどの基準を満たすかは、製品の性能表示で確かめられます。カバー工法の窓の種類はマドリモのページでご紹介しています。

補助金と一緒に使うときの注意
窓の断熱リフォームは、国の補助金の対象にもなります。補助金と固定資産税の減額は、組み合わせて使えるのが一般的です。
ただし、先ほどの4つ目の条件のとおり、金額の条件は「工事の費用から補助金等を差し引いた額」で判断されます。補助金をたくさん受け取ると、自己負担の額が60万円を下回り、固定資産税の減額の条件を満たさなくなることがあります。どちらを優先するか、両方を使えるかは、工事の内容と金額によって変わります。補助金の最新の情報は補助金のページと先進的窓リノベ2026のページにまとめています。
申告の手順と必要な書類
この減額は、自動的には受けられません。国土交通省の資料では、工事が終わった日から3か月以内に、家屋のある市区町村の窓口へ次の書類またはその写しを出すよう案内されています。
- 固定資産税減額証明書
- 増改築等工事証明書
- 補助金等の交付を受けている場合は、金額が分かる書類
増改築等工事証明書は、登録された建築士事務所に属する建築士、指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関、住宅瑕疵担保責任保険法人のいずれかが発行するものとされています。必要な書類は自治体によって違う場合があるので、お住まいの市区町村のホームページや窓口でも確かめてください。
期限の3か月を過ぎると受けられなくなるおそれがあるため、減額を受けたい場合は、工事の契約の前から書類の準備を考えておくことが大切です。当店にご依頼いただく場合の書類の段取りは、ご契約の前にご相談ください。ご依頼の流れはこちらのページにまとめています。
減額を受けるまでの流れの例
ここまでの条件と手続きを、時間の順に並べると次のようになります。
- お住まいの市区町村のホームページや窓口で、減額の制度と必要な書類を確かめる
- 現地調査で、交換する窓の種類と数、お家の地域の区分を確かめる
- 断熱の基準を満たす窓の製品を選ぶ
- 見積りで、補助金を差し引いた後の金額が条件を満たすかを確かめる
- 増改築等工事証明書を発行してもらう建築士などを手配する
- 工事を行う
- 工事が終わった日から3か月以内に、市区町村の窓口へ書類を出す
- 翌年度の固定資産税の納税通知書で、減額されているかを確かめる
1から5までは、工事の契約の前に済ませておくと安心です。とくに、証明書を発行してもらう人の手配は後回しにしがちなので、早めに進めてください。
所得税が控除される制度もある
省エネ改修には、固定資産税の減額のほかに、所得税の控除の制度もあります。国土交通省は、これらをまとめて「リフォーム促進税制」として案内しています。所得税の控除は確定申告で手続きを行い、条件や控除の額は固定資産税の減額とは別に決められています。固定資産税の減額は市区町村、所得税の控除は税務署と、手続きをする窓口が違う点にも気をつけてください。
所得税の控除の条件は、住宅ローンを使うかどうかなどでも変わります。詳しくは国土交通省の「リフォーム促進税制」のページや、税務署でご確認ください。

よくある質問
賃貸に出している家でも減額を受けられますか?
国土交通省の資料では、賃貸住宅でない家屋であることが条件の1つになっています。賃貸住宅は、この減額の対象になりません。
内窓とカバー工法のどちらでも対象になりますか?
窓の断熱改修工事には、内窓の新設と、サッシ及びガラスの交換のどちらも含まれています。どちらの場合も、改修後の窓が断熱の基準を満たすことが条件です。カバー工法のしくみはカバー工法とは?のページでご説明しています。
窓を1か所替えるだけでも対象になりますか?
窓の数そのものの決まりより、断熱の基準と金額の条件を満たすかどうかが問題になります。金額の条件を満たすかどうかは工事の内容によって変わるため、見積りの段階でご確認ください。ほかのご質問はよくあるご質問にもまとめています。
まとめ|窓の断熱リフォームは、税金の面でも損をしにくい
窓を交換するだけのリフォームで、固定資産税が上がることはふつうありません。固定資産税の評価のやり直しの対象になるのは、増築や、骨組みだけを残すような大規模な改築です。
反対に、窓の断熱改修を行い、断熱の基準や金額などの条件を満たせば、翌年度分の固定資産税が3分の1減額される制度があります。ただし、工事が終わってから3か月以内の申告が必要で、専門家が発行する証明書も要ります。減額を受けたい方は、工事の前から準備を始めてください。窓のリフォームについて詳しく知りたい方は窓の1DAYリフォームのページを、ご相談はお問合せフォームからどうぞ。
(参考)国土交通省「省エネ改修に係る固定資産税の減額措置(適用期限:~令和13(2031)年3月31日)」「リフォーム促進税制(所得税・固定資産税)について」/佐賀県鹿島市「建物を新築・増築・改築した場合(家屋評価のお願い)」
文:マドアーズ!編集部
